年末

晦日、実家からまた荷物が届いた。

米、餅、インスタント食品、そしてやはり母からの手紙もあった。

荷物を開けるたび、手紙を読むたび、気分が悪くなってしまう。

多分、自己嫌悪だと思う。

親の自分への気遣いが、そのまま自分に対する負の感情に変換されて降り注いでいるような気分だった。



昨日は1人で酒を飲んだ。

酒なんて誰かとではない限り滅多に飲まない。

ましてや1人のときになんて年に一回あるかぐらいだ。

大学生になってから、年末は1人で過ごすことが普通になった。

1人で過ごすことで分かったのだが、年末年始も結局のところ普段の日常と対して変わらない。

何も浮き足立つことはない。

でも、昨晩どうして自分は酒なんか飲んだのだろう。

何故だろう。

頭のどこかでは、大晦日であることに対する特別な思いがあったのだろうか。

それにしても、酔っていた自分のことを思い出すと、余計に自分に嫌気がさす。

余りにも愚かだった。



今年はどうだったか、思い返すようなことはあまりしたくない。

来年こそはとは思うが、ちょうど1年前も、そんなことを思っていたような気がする。

結局何も変わらなかったのだ。

人生とは、どうしてこんなにも辛いのか。

ネガティブになっていても仕方ない、

それは頭では理解しているはずなのに、

胸中にあるのは、取り除くことはできないぐちゃぐちゃとした何か。

畳めていない衣服と荷物、その他いろんなものが床に放置されている。

部屋はいつもより汚い。

前髪が視界を少しだけ悪くさせる。

掃除しなくてはと思うと、少しだけ身体が言うことを聞いた。

もうすぐ16時、2020年も残り8時間ほど。

今日という日が、今年と共に終わる。